小説の箱書きの書き方 & メリットを解説|役立つ無料ソフトも紹介

 

どうも、ノマドクリエイターのショウヘイ( @shohei_creator )です。

 

小説・ラノベのプロットを作成する方法の1つに、箱書きという手法があります。

 

箱書きは、物語の書く場面を箱に見立てて、その中に登場人物・出来事・場面の目的などの情報を書きます。

こうすることで、その場面の情報が分かりやすくなるので、物語を執筆しやすくなります。

 

それでは、小説・ラノベのプロット作りに役立つ箱書きについて、具体的な書き方メリットを説明していきますね。

 

 

目次

小説の箱書き(ハコガキ)とは

 

箱書きの本来の意味は、道具の銘(誰が作ったか)や歴代の所有者などの情報を保管箱に墨で書いて記録したものです。

 

 

それに対して、小説の執筆でいうところの箱書きは『物語の各場面の情報を箱に見立てたメモ用紙に書いて、それぞれの場面役割や繋がりを整理するもの』です。

早い話が、プロットの1種ですね。

箱書き

 

 

 

小説の箱書き|やり方と具体例

 

小説の箱書きに書く情報は、5 W 1 H を基本にしつつ、その場面を描く目的や伏線の設置 / 回収などです。

小説の箱書きの書き方に、厳密な決まりはありません。あなたの都合に合わせて、自由に改良してください。

小説の箱書きに書く内容(参考例)

  • 場面番号(箱書きの順番を明確にするため)
  • 時間(その場面が いつ頃か)
  • 場所(その場面が どこか)
  • 登場人物(その場面に登場する人物の名前)
  • 出来事(その場面で何が起きるか)
  • 場面の目的(その場面を挿入した理由)
  • 人物の肉体状態(特に主人公の肉体状態)
  • 人物の心理状態(特に主人公の心理状態)
  • 危険度(登場人物にとって、その場面が どれだけ危機的か。危険度が高い展開ほど、読者を楽しませる)
  • 伏線の設置 / 回収(伏線の設置・回収。何も無いなら記入しない)

 

 

こちらは、映画【スパイダーマン】を参考に作った、箱書きの具体例です。

主人公ピーターがスーパースパイダーに噛まれた日の翌昼、廊下でイジメっ子のフラッシュと戦闘になる場面を抜き出しました。

 

場面番号第1幕  003  (ピンチポイント1)
時間クモに噛まれた翌日の昼休み
場所食堂と廊下
登場人物ピーター(主人公) フラッシュ(噛ませ犬)
出来事食堂で席についたピーターは、手首から糸を出して、昼食が載ったお盆を引き寄せる。自分は横に身をかわし、背後にいたフラッシュにお盆(昼食)を当てる。

ピーターは逃げるように席を立つが、手首から出ている糸には、お盆が絡まっている。それを見たフラッシュは、ピーターが仕掛けた悪戯だと思う。

廊下にて、フラッシュにピーターを襲わせる。その際、ピーターは超人的な能力によって、フラッシュの攻撃を避ける。最後は、フラッシュの乱打を避けたピーターが拳を突き出し、フラッシュを数メートル吹っ飛ばす。

場面の目的① 超人的な能力に目覚めたことをピーターに自覚させるため。

② ピーターを危機的な状況に立たせて、読者を緊張させて、楽しませる。

③ ピーターがイジメっ子のフラッシュを返り討ちにすることで、読者に勧善懲悪のカタルシスを体験させる。

人物の肉体状態ピーター:健康(超人化)
人物の心理状態ピーター:戸惑い→戦闘の緊張→能力の確信
危険度中(ただし、ピーターの超人化を理解していない読者の視点。実際の危険度は皆無)
伏線の設置 / 回収特になし

 

 

 

 

小説の箱書きを作るメリット

 

わざわざ小説の箱書きを作ることには、次の5つのメリットがあります、

箱書きを作るメリット

  • その場面の情報を把握できる
  • 前後の場面の整合性を確認できる
  • 箱書きを自由に並べ替えられる
  • 場面展開の波を調整しやすい
  • 伏線の設置・回収の対応が分かりやすい

 

 

小説の箱書きメリット1:その場面の情報を把握できる

 

箱書きを書くことで、その場面の状況(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)をひと目で把握できます。

箱書き全体を眺めて、物語に組み込むべき登場人物や出来事を思いついたら、該当箇所の箱書きに書き足しましょう。

 

 

小説の箱書きメリット2:前後の場面の整合性を確認できる

 

特定の箱書きと、その前後の箱書きを見比べることで、場面展開に整合性(不自然さや矛盾が無い度合い)が取れているどうかを確かめられます。整合性が低いと思ったら、つなぎとなる箱書きを作って、継ぎ足します。

もしくは、とある場面を入れる必要が無いと感じたら、その箱書きを抜き取ります。

 

 

小説の箱書きメリット3:場面を自由に並べ替えられる

 

箱書きはメモ用紙なので、自由に順番を並べ替えられます。

主人公に関する重要な回想場面を入れる場所に迷ったら、箱書きを並べ替えることで、自然にハマル場所を探しやすくなります。

 

 

小説の箱書きメリット4:場面展開の波を調整しやすい

 

箱書きの項目に『危険度』を付けることで、主人公がどれだけの困難に直面することになるか、ひと目で把握できます。

主人公が困難に直面して、それを乗り越えべく努力する場面は、読者を楽しませる大切なものです。

困難の危険度が低い、または物語を通して危険な場面が少ないと感じたら、危険度の高い場面を付け足しましょう。

 

 

小説の箱書きメリット5:伏線の設置・回収の対応が分かりやすい

 

箱書きの項目に『伏線の設置 / 回収』を付け足すことで、どこに伏線を張ったか・いつ伏線を回収するかを管理しやすくなります。

伏線(場面番号●●で回収)というように、伏線を張る時に回収場面の番号も書き添えておけば、伏線回収を忘れずに完了できます。

 

 

 

小説の箱書きとプロットの違いとは?

 

一般的には、小説のプロットは、時系列表(物語の始めから終わりまで、誰が何をするのか箇条書きで並べたもの。簡易版の年表)と思われています。

そのせいで、『箱書き』と『プロット』を別物に考えている人がいるかもしれないので、注釈を書いておきますね。

 

プロットの意味は、物語の筋です。

箱書きは物語の場面を箱に見立てて、いくつも並べたものです。これも物語の筋に変わりありませんから、箱書きはプロットの1種です。

 

箱書きとプロットに違いはありません。

プロットの種類として、『箱書き』と『時系列表』という違いがあるだけです。

 

 

 

小説の箱書きを作る時に役立つ無料ソフト

 

小説の箱書きを作るのに役立つ無料ソフトがいくつかあるので、簡単に紹介しておきますね。

 

なお、ダウンロード方法や使い方については、小説・ラノベのプロット作成に便利な無料アプリ & ツール5選!にまとめています。

詳しく知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。

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Nola のプロット作成機能

 

1つ目は、 Nola という執筆支援ツールです。

nola top

 

 

Nola には、プロット作成を支援する機能が付いています。

起承転結の大枠の内部に、自由にメモ用紙を増設して、1つ1つの場面情報を記述できます。作成したメモ用紙は、自由に並び替え可能です。

Nola  場面入れ替え

 

 

WorldType のアイデアボード

 

2つ目は、 WorldType という創作設定の編集・整理ツールです。

WorldType

 

 

WorldType には、アイデアボードという機能が備わっています。

アイデアボードでは、まるでコルクボードにメモ用紙を貼るような感覚で、アイデアの書き込み・整理が可能です。

1つ1つのメモ用紙は、自由に並び替えられます。

アイデアボード メモの並び替え

 

 

 

小説の箱書きを必ず作った方がいいか

 

これについては、人によって意見は分かれるでしょう。

 

綿密なプロットを組んでから小説を執筆したい人には、箱書きを作ることをオススメします。

箱書きの特徴は、場面の情報を一覧で確認できることです。

『読者を楽しませる出来事が起きているか』や『1つ1つの場面のつながりは自然か』ということを確認するには、箱書きは便利な道具ですね。

場面を簡単かつ自由に並べ替えられることは、箱書き特有のメリットです。

 

 

私の意見としては、わざわざ箱書きを作る必要は無いと思います。

というのも、そこまで詳しい場面情報が無くても、物語を書き進められるからです。簡単な時系列表で充分です。

 

時系列表のプロットを書く人には、こちらの記事がオススメです。特に長編小説の執筆に役立つ3幕構成について、詳しく解説しています。

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まとめ

 

この記事の内容のまとめです。

まとめ

  • 小説の箱書きとは、1つの場面を箱に見立てて、場面の情報を整理したもの。
  • 小説の履き書きの書き方には、決まりはない。あなたの都合のいいように改良すること。
  • 小説の箱書きを作るメリット
    • その場面の情報を一覧できる
    • 前後の場面の整合性を確認できる
    • 箱書きを自由に並び替えられる
    • 場面展開の波(平穏と緊張の変化具合)を調整しやすい
    • 伏線の設置・回収の対応が分かりやすい
  • プロットは『物語の筋』という意味なので、箱書きはプロットの一種。プロット=時系列表と思い込まないように。
  • 綿密なプロットを汲みたい人には、箱書きはオススメ。

 

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